フリーター・葉村晶と警部補・小林舜太郎が交互に探偵役となる連作8篇。
若竹七海さんの本を初めて読んだのですが、人間が持つ暗部を無造作に読者に提示して見せる独特のダークテイストに魅せられました。
救いもなくユーモアもなく、どこにでもある日常的な悪意を作中にぽいっと置いてじわじわ読者を怖がらせるやり方が上手で、イヤミスとも違う怖さを感じました。
誰もが持つ悪の本質の断片が描かれているから、こんなに惹かれるのかもしれません。
あと、葉村晶のキャラがいいんですよねー。
クールで斜に構えてる女性なんだけど、すごく冷たいわけではなくて人間的で不器用な面もある。
なのに、周囲の人間関係には恵まれずいつも事件に巻き込まれる。
普通、こういうキャラって最後にはいい目に遭ったりするもんですが、作者はそんな生ぬるいことはしない主義みたい(笑)。
続編もあるみたいなんで、葉村晶が次にどんな事件に遭うか次も読んでみようと思います。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年12月27日
- 読了日 : 2016年12月16日
- 本棚登録日 : 2016年12月12日
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