本書の問い、「100円のコーラを1000円で売る方法」に対する直接的な答えは「モノ(商品)を売るのではなく、コト(体験)を売る」ということですが、そのためには「顧客のいうことを鵜呑みにして受け入れる姿勢(カスタマー・マイオピア)から脱却すること」が必要だといいます。本書は、カスタマー・マイオピアから脱却するための考え方を紹介している本と言っても間違いではないと思います。
物語の主人公久美は営業部から商品開発部にきた強気な女性。顧客の言うことを聞けば良い製品ができると信じてやまない久美に対して、マーケティングに精通した与田が厳しい指導を加えてゆくという物語です。しかしまあこの久美という人物、行動力がすさまじい代わりにあまりに自尊心が高いというか、自己中心的というか……最後までこんな態度をとっていて、ほかの人がついてくるのかは気になるのですが……。
以下、メモしておきます。
・事業をどのように位置付けるか?, p. 28
(化粧品会社の例)
製品志向……自社の事業を化粧品の製造販売と考える
市場志向……自社の事業をライフスタイルと自己表現、夢を売ることと考える(=顧客志向)
・顧客志向とは何か, p. 65, 157
顧客満足 = 顧客が感じた価値 - 事前期待値
顧客のいいなり(カスタマー・マイオピア)の場合
100 - 100 = 0
・バリュー・プロポジション, p. 105
顧客のニーズを考える基本的な枠組み(のひとつ)
1. 顧客が望んでいる価値であり、
2. ライバルが提供できない価値であり、
3. 自社が提供できる価値
- 感想投稿日 : 2015年8月3日
- 読了日 : 2015年8月3日
- 本棚登録日 : 2015年8月3日
みんなの感想をみる