日夜、自分の性と恋愛感情に揺らぐ女子高生の物語。流されやすく、移り気な少女の内面と、気怠く退屈な学校生活やうんざりさせられる母親との確執が描かれている。と書くと普通だけど1978年、32年前のベストセラーらしい。
なんと言っても驚きは著者が当時18才の作品だということ。作家が10代の頃の作品といえば、やはり瑞々しかったり、とんがるものを感じたりすることが多いんだけど、この作品からは自らを冷静に見つめつつも倦んでいる老成した作家の姿がかいま見える。
作品としては、色んな女性観のひとつとして「海との比喩」などなかなかいい言い回しがあって好きなタイプ。けどどちらかというと物語よりも、作家に興味を抱かせるような作品。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
一般小説
- 感想投稿日 : 2010年8月1日
- 読了日 : 2010年8月1日
- 本棚登録日 : 2010年8月1日
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