ソロモンの偽証 第I部 事件

著者 :
  • 新潮社 (2012年8月23日発売)
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【あらすじ】
クリスマスの朝、中学校の敷地内で同校生徒の柏木卓也の遺体が発見された。現場に不審な点はなく、屋上からの投身自殺として処理される。
三学期初日、告発状が校長と同級生・涼子に届く。卓也の死は大出を核とする不良生徒3名によるものとの密告だった。内容を虚偽と判断した警察の助言の元、学校側は差出人の女生徒を特定するものの、生徒たちへの悪影響を憂い、部外者の悪戯として沈静化を図る。しかしその計画は、ある恣意的な報道により一変する。

【感想】
三部構成かつ各部の分量は700頁を超す大長篇。本書は第Ⅲ部の学内裁判で取り扱う事件の経過を、様々な視点で綴っている。
第一印象は読むのが大変そう、分量に見合う内容なのかと考えて躊躇した。第I部という事もあり、豊富な人物描写や背景説明、そして伏線が織り交ぜられている。本筋との関係が不明なまま回り道をさせられた気になった。しかし、涼子が学内裁判を計画する辺りから物語の色が変わって俄然面白くなる。お楽しみは第Ⅱ部を読んでね、という事らしい。
告発状の経緯や付随事件の真相は読者に開示されるため、涼子から見ると少々フェアじゃない気もするが、予想を超える展開があるとの前踏れと期待したい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー(国内)
感想投稿日 : 2017年5月7日
読了日 : 2017年5月7日
本棚登録日 : 2017年5月7日

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