荒れ始めた中学の雰囲気を良くしようとして、いじめられ始めたみちる。
友だちのみちるがいじめられ始めても何もできず、教室に行かなくなる優子。
学校とは何のためにあるのか。
小学校時代にいじめを経験した彼女たちの、中学でのいじめに対するそれぞれのリアクション。
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みちると優子の視点が交互に入れ替わるスタイル。
そんなこと言ったら自分からいじめられにいくようなもんだよ!と思うくらいストレートなみちるは、
小学校のときに優子のいじめに加担したことを後悔していて、それに対する贖罪としていじめに立ち向かってるようだった。
不良の伊佐君から告白を断った優子は女子たちに疎まれ、いやがらせを受け始める。いじめが悪化する前に、目立った行動をしたみちるがいじめられ出したため、優子はいじめられなくなる。そして優子は教室に行くのをやめる。
大切なものだけは譲らずに生活してるんだなあ、と読んでて思った。
みちるは自分がいじめられることで、小学生のときの罪滅ぼしをしているようだったし、実際に優子を守った。
優子は自分の価値観にしたがって行動していたし、伊佐君は不良として引き下がれないプライドもあったんだろう。自主的にパシリをする斉藤君は彼なりにクラスを変えようとしていた。
やる気のないスクールサポーターの吉川だって、花壇を守るためにナイフで不良を脅した。
ひどい目に遭わされているみちるに、無理しなくていいと言える吉川がすごくよかった。
いじめられたり、ひどい目に遭うんだったら、教室に行かなくていいし、
学校なんか行かなくても学ぶことは出来るんだから、そういう選択肢を先生がもっと教えていい。教えるべき。
不良の伊佐君がみちるを助けてあげればいいのに、と思いながら読んだ。
いじめはダメなことだけど、なくなることなんてないよな。
死ぬほどの苦しみ、悩みだったら、逃げていいと思う。
- 感想投稿日 : 2013年9月1日
- 読了日 : 2013年8月23日
- 本棚登録日 : 2013年8月23日
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