論理と感性は相反しない

  • 講談社 (2008年3月22日発売)
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本棚登録 : 899
感想 : 172
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山崎ナオコーラさんの小説にはいつも山崎ナオコーラさんがいる。
今回の短編集には矢野が山崎さんだった。あえて自分のことをすごく主観的に見ることで、登場人物に明らかな自分の分身が生まれるのかな。短編のなかでは矢野が作家として大成功していて笑った。マンドリンは山崎さんの得意楽器だもん、演奏しないわけにはいかないよな。デビュー作のタイトルも勘違いされやすいタイトルだったのも知ってる。
架空バンドの話も面白かった。音楽雑誌のJAPANとかも読んでて、2万字インタビューを受ける自分なんてのも想像したことあるんだろうな。かわいいひとだ。
自分の分身を書くからこそ、自分を切り売りしているような気持ちにならないのかと思う。どうなのかな。あとがきまで面白かった。あんがたっぷりつまったたい焼きみたいな短編集だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 山崎ナオコーラ
感想投稿日 : 2014年10月4日
読了日 : 2014年10月2日
本棚登録日 : 2014年10月2日

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