ペンギン・ハイウェイ

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著者 : 森見登美彦
制作 : くまおり 純 
小葉さん book   読み終わった 

「ぼく」は「たいへん頭が良く、しかも努力をおこたらず勉強する」小学4年生。当然のごとくかしこい。一方でおっぱいの謎に取りつかれたり人の心の機微がわからなかったりと、おバカなところもある。
そんなぼくに泣かされちゃったよ。

「ぼく」たちの研究から思ったこと。
これって「総合的な学習」が目指してるものだよね。自分で問題を見つけ、解決すべく考え行動する。解決できないこともあるだろうけれど。
子供たちがこんな風に研究できたらステキ。

自分の子供時代を思い出した。
田舎だったので、野山や川が遊び場だった。「基地」を作ったこともあった。
40年前の田舎の子供は、自ずと「総合的な学習」をしていたんだ。「ぼく」たちのように。

ノート。書くということ。『恋文の技術』でも思ったことだけど、「書く」ということをめっきりしなくなった。「書く」から「打つ」になってしまっている。
でも、「書く」ことで見えてくることがあるような気がしてきた。
お父さんが言った大きな紙に書くっていうのは、マインドマップとかイメージツリーってやつかな。

ぼくは冷静に考え、観察し、行動しようとしている。そんなぼくの語りなので感情の起伏がかなり押さえられている。
全く文体は異なるのに、「悪道日記」を連想した。
ペンギンや<海>を見たときも、スズキくんにいじめられたときも、その状況を淡々と描写しているだけ。
それだけに「ぼくは泣かない」の言葉が切ない。

おっぱいときれいなおねいさんから「クレヨンしんちゃん」も連想。
家族構成も野原家と一緒だね。

「ぼく」は向学心、向上心、好奇心の塊。
こういう子って、子供の物語ではたいてい2番手の位置にいる。
賢くて鼻持ちならないタイプ。
スズキくんからみた「ぼく」はそうなんだろう。
そんな「ぼく」が丸ごと肯定されているのも気持ちいい。

*フリッパー・・・ペンギンの翼
*エウレカ・・・「見つけた! 分かった!」という意味のギリシャ語

レビュー投稿日
2010年6月8日
読了日
2010年6月8日
本棚登録日
2010年6月8日
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