我が名は秀秋

著者 :
  • 講談社 (2015年10月1日発売)
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関ヶ原で稀代の裏切り者と謳われた小早川秀秋の、波乱万丈の生涯に焦点を当て、謀略の中で苦悩する若者と大合戦を描く歴史スペクタクル小説。

時の関白、豊臣秀吉の養子となり、北の政所に育てられるが、秀吉に実の世継ぎができた折に小早川家に養子に出される。同様に兄として育てられた豊臣秀次が、秀吉の実子(秀頼)の妨げになると排除されるのを目の当たりにし、秀吉にそして時代に翻弄されるわが身を知る。
しかし、養父小早川隆景の下で自ら生きるということ、武士としての生きざまを学び、朝鮮出兵等を経て逞しい武将に成長する。

知略に優れ、様々な曲折を経て、徳川方に付くことを決意。そして、運命の関ヶ原に駒を進める。
東西両軍が拮抗したときに、乾坤一擲の裏切りをみせ、戦いの流れを東軍優位に転換させ、そのまま徳川型の勝利となる。
しかし、合戦の後もまだ人生は秀秋を翻弄する。そして....
誰が、後世に歴史を伝えたか。
「歴史とは生き残ったものが紡ぐ過去である。」と筆者は物語を締めくくる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2016年1月5日
読了日 : 2016年1月5日
本棚登録日 : 2016年1月5日

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