社会への違和感がミルフィーユだったとして(ちがうけどね。)その一段一段重なったデリケートなパイ生地を上手に剥がしてくれるような。
あとは書き手としての視点の据え方の妙。展開されるひとりつっこみが気持ち悪くないのも、自分を含めた世界をさらに書き手として見ている、ポジショニングの賜物なんだろうな、と。
で、ここまでは他の著書でも一緒なんだけど、この本が違うのは、元の連載の、震災直後から続く何本かが採録されているところ。確固たる立ち位置が、テキストの軽妙な息遣いが、どうしたって世界の方へと絡め取られようとする中で書かれた、幾つかのコラム。その逡巡に書き手としてのドラマを見た気がする。闘い、というか。凄い。
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- 感想投稿日 : 2014年1月25日
- 読了日 : 2014年1月21日
- 本棚登録日 : 2014年1月14日
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