子どもが、この本を片手に台所に入ってきた。
私の方はというと。子どもの姿を視線の端に感じつつ。素知らぬ顔で洗い物を続ける。
すると。それも予定通りとばかりに、さっと本のページを開き、私の視界にそのページを押し込んでくる。
「とうもろこしのひげのホントの名前、しってるぅ?」
うーん。そうされたら、作業、中断するしかないよなぁ~。しばし、考えるフリ...。
「...。全然、思いつかん...。」
「ケンシ、だって~。」
そう言いながら、答えの書いてある次のページをめくる。
「これがふさふさだと、実がいっぱい詰まってるんだってさー。」
ぱたりと音がするほどしっかり本を閉じつつ、私をチラ見。
そして。抽選で使うガラガラ(これも“アレの名前”として載ってる)で、家族の誰よりも上位の玉が出た時のような、不敵な笑いを見せると。そのままくるりと向きを変え、台所を後にした。
...嗚呼。そんなあなたが「ダブルだれ」。
読書状況:積読
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カテゴリ:
本棚に置いたら 子どもが読んだ本
- 感想投稿日 : 2014年7月13日
- 本棚登録日 : 2014年7月13日
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