ツバメの謎: ツバメの繁殖行動は進化する!?

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  • 誠文堂新光社 (2015年2月12日発売)
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ツバメは6年生きる個体もあるが、平均3年しか生きない…その短い一生の中で日本と東南アジアを何度も往復し、一生懸命子育てをしている。けなげでかわいい。一度に5,6個の卵を産むが、そんなにたくさんの卵をお腹に抱えていたら飛べないので、一日に1つ卵を産み、産むと次の卵が大きくなる。毎日卵を産むが、すぐに温めると雛の成長に差が開きすぎるので、最初から温めない。オスはほとんど卵を温めない。
ツバメは持ってきた餌を分けて与えず、先に鳴いた雛に与える。雛は一度もらって満腹になると後ろに下がり、もらう競争を避けるので満遍なく餌が渡るようになる。
ツバメの最大の天敵はカラスで、カラスたちはツバメの巣を見つけてもすぐに襲おうとせず、雛が育ってから襲う。あまりに襲われるので、ツバメの巣がカラスから見えにくい位置に作られるようになってきたという報告もある。
中華食材で使われるツバメの巣は、アナツバメという別の種類の鳥である。アナツバメはツバメ目ですらない。アナツバメは泥や藁を一切使わず口から分泌物を出して崖に塗りつけ、小さな棚のような巣を作る。混ざりものがないので安心して食べることができる。
ツバメはつがいの絆が深く、並んでとまっている姿は仲良しに見えるが、約3割がつがい外交尾をする。つがいを作る鳥の90%はつがい外交尾をする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年6月27日
読了日 : 2016年6月27日
本棚登録日 : 2016年6月27日

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