欠落 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2015年11月13日発売)
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本棚登録 : 856
感想 : 63
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宇田川の同期の大石陽子が特殊犯操作係に異動してきた。
宇田川・蘇我・大石の3人は同期の中でも気が合う仲間だった。蘇我が懲戒免職となっている今、顔を合わせることもなくなっていたため、久々の再会を喜ぶ2人だったが、大石が立てこもり事件で人質の身代わりとなり、犯人に連れ去られてしまう。
大石の安否が気になって仕方ない宇田川だったが、直後に発生した死体遺棄事件の捜査に当たることになる。しかし。そちらの捜査を進めるうちに、蘇我の存在が浮上。さらに、遺棄事件と大石の事件になんらかの接点があることに気付く。

2017年7月15日読了。
宇田川の同期である大石が登場したことで、そちらに話が移行してしまうのかと思ったのですが、前作『同期』で明かされなかった蘇我の現状もしっかりと描かれていてひと安心。
さらに、土岐や植松に加え、佐賀という新たな宇田川の理解者も登場し、読み応え充分の続編でした。
宇田川自身が周りに評価されていることに無関心なのもまた面白い。蘇我のことをとぼけていると思っている宇田川ですが、それ以上におとぼけだなぁと思って、クスクスっとなりました。
良い先輩に恵まれて、これからも宇田川は成長していくのでしょう。続編が楽しみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 推理・ミステリー
感想投稿日 : 2017年7月16日
読了日 : 2017年7月15日
本棚登録日 : 2017年7月10日

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