からくりサーカス(9) (少年サンデーコミックス)

著者 :
  • 小学館 (1999年8月7日発売)
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感想 : 1

200年前のフランス、クローグ村。
ルシール、タニア、マリーが暮らしていた村。
その村はずれに黒衣の男が住んでいた。その男こそ、自動人形フランシーヌを作った錬金術師だった。タニアが描いたフランシーヌの肖像画をみた鳴海は衝撃を受ける。
記憶の片隅に残っている哀しそうな表情の女(しろがね)にそっくりだったからだ。
黒衣の男と人形たちは村人を殺戮しゾナハの病原菌をまき散らした。
「これは他人を笑わせないと自分が死ぬ病気だ。生き延びたくばフランシーヌを笑わせるため命をかけた道化になれ」と。
苦しいのに死ねないゾナハ病が蔓延してから6年。村に仮面をつけた錬金術師が現れた。
旅先でこの村のことを聞き、生命の水、そして「柔らかい石」を携えてやってきたという。しろがねと名乗るその男は、錬金術師のしでかした悪行は錬金術師が責任をとるといって井戸に柔らかい石を投げ込み、復讐の戦いに身を投じるものだけがこの水を飲むように言い残す。水を飲んだものにはおびただしい錬金術の知識や異国の言語などが流れ込んできた。人形の操り方も。そして自動人形を殺せという強い意思に支配された。それは仮面の錬金術師「しろがね」の知識と記憶、そして意思。多量の生命の水はすべての物質を溶かす溶解液。溶けた者の心を保存し続ける。
彼は生命の水の中に身を投げていたのだ。

初代しろがね・・・中国の人形遣い大道芸の一族(傀儡儀:くぐつぎ)。人形をさらに人間らしくできないかと思い錬金術に足を踏み入れた。日本に行ったときに白銀(しろがね)と呼ばれたのが気に入って、しろがねと名乗る。

井戸の生命の水は絶えたが井戸の底に溶け残っていた柔らかい石はルシールが持っていた。それを自動人形も狙っている。柔らかい石は子供の体内の中にしか保存できず娘のアンジェリーナの体内にかくされ、ルシールは彼女をずっと守ってきた。アンジェリーナは日本に移り住み、18年前日本で死んだ。が、既に体内に柔らかい石はなかった。唯一日本で石の行方を知るものが遺した言葉は、「柔らかい石はいい笑顔の者に」

後半にラ・プランセス・ドゥ・マヌカン編

ギイが日本に行ったのは、鳴海を仲間に引き入れるためだけでなく、柔らかい石が行方不明になった前後、関係した可能性のある人間をリストアップするためでもあった。
当時ローエンシュタイン大公国の大公が来日していて日本の大企業の社長と懇意になった。この社長が柔らかい石に深くかかわっているという。

そして大公の娘エリに隠されている可能性が・・・
と来てみると、エリが自動人形にさらわれた!救助に行く鳴海!続く!

感想

鳴海の台詞「オレさァ、子供がらみはホントにダメ、かわいそうで・・・」
きっと作者のフジタさんがこういう人なんだと思う。

真夜中のサーカス、怖すぎ!地獄絵図・・・

柔らかい石はいい笑顔の者に・・・
なるほどね。日本だし。社長だし。でも18年前、勝はうまれてない。
でも、しろがねは18歳。ああ、わかってきたぞ~

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年9月27日
読了日 : 2016年9月27日
本棚登録日 : 2016年9月27日

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