ふだん本を読まない人向けに読書の楽しみを知ってもらうという企画で書かれた中編2つ。
著者の作品の中では短いし読みやすい。逆に言えばいつもよりちょっと物足りない気もする。
「養豚場の殺人」は英国で実際に起きた事件をもとに書かれた話で、どのような経緯で悲劇が起こったかを執拗に描いたルース・レンデル風のある意味ホラー。
「火口箱」は小さな村で起こった事件を巡ってイギリス人とアイリッシュの軋轢が高まっていくミステリ。偏見の色眼鏡を取り除いたあとで物事の見え方が反転するラストはお見事。
地味な作風だが、やはりウォルターズは面白い。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ海外
- 感想投稿日 : 2014年4月30日
- 読了日 : 2014年4月25日
- 本棚登録日 : 2014年4月30日
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