一般的なミステリーの手法をとっているように思わせながら、生粋のミステリー好きの読者からは「反則では」と不満の声があがりそうな大胆な着地の仕方をしている。やられた!って感じで私は面白く読めたのは、普段よっぽどのことがないとミステリーを手に取らないせいもあるのかもしれないけれど、知的で筒井康隆らしい感じのするトリックで、ミステリーという分野の中で筒井氏の持ち味が痛烈なまでに効いていて、驚きとともに読める作品ではと思う。
ともかく、素直に謎解きをしようとすると、最終的には「誰も犯人に該当しない」という結論が出てしまう。では一体犯人は?犯行の方法は?と行き詰るのだけど、この小説が「メタ・ミステリー」と銘打たれていることがヒントの一つとなっているように思う。前半で登場する間取り図も。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2006年6月11日
- 本棚登録日 : 2006年6月11日
みんなの感想をみる