ロートレック荘事件

著者 :
  • 新潮社 (1990年9月1日発売)
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本棚登録 : 173
感想 : 19
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一般的なミステリーの手法をとっているように思わせながら、生粋のミステリー好きの読者からは「反則では」と不満の声があがりそうな大胆な着地の仕方をしている。やられた!って感じで私は面白く読めたのは、普段よっぽどのことがないとミステリーを手に取らないせいもあるのかもしれないけれど、知的で筒井康隆らしい感じのするトリックで、ミステリーという分野の中で筒井氏の持ち味が痛烈なまでに効いていて、驚きとともに読める作品ではと思う。
ともかく、素直に謎解きをしようとすると、最終的には「誰も犯人に該当しない」という結論が出てしまう。では一体犯人は?犯行の方法は?と行き詰るのだけど、この小説が「メタ・ミステリー」と銘打たれていることがヒントの一つとなっているように思う。前半で登場する間取り図も。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2006年6月11日
本棚登録日 : 2006年6月11日

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