色々な読書録等で、非常に評判の高かった作品。
詳細な下調べや資料を用意・検証して、物語にリアリティを与え
骨太の人物描写や文章で歴史を描く本格派の作家…という評判でした。
確かに入念に調べている感じはしますが、それが物語にプラスに作用
したようには思えませんでした。
せっかく調べたモノを生かして、なんとか当時のリアリティを再現させようとして、却って読んでいて窮屈に思えます。
そして肝心の主人公を含めた登場人物が、勧善懲悪のテンプレを地で
いっており、私には人物の深みを感じられませんでしたし、物語としても人物造形がありきたりのせいか、全く共感できずに終わってしまいました。
骨太と称される文章も、ただ不器用な感じで、本人もそれで良しと思っている風で改善させる気がなさそうなのが残念です。
良い点としては、江戸初期の長崎を舞台にした作品は島原の乱以外
あまり無いので、とても興味深く読ませてもらえます。
世間の評判がとても良いので、私の感性の方に問題があるかも?と、疑わざるをえないとても悩ましい一冊です(笑)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史小説・日本
- 感想投稿日 : 2013年11月5日
- 読了日 : 2013年11月5日
- 本棚登録日 : 2013年11月5日
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