終戦時11歳だった著者の、羅南から日本への引き揚げ、日本での暮らしを綴った自伝的小説。
父親が満州鉄道で働いていたようで、戦前戦中は比較的裕福な家庭に育ったようです。そこから一転して、朝鮮半島を横断する命がけの引き揚げ、日本にたどり着いてからも、頼る身内もなく相当な苦労をしています。
それでも、敗戦のごたごたで混乱している中、娘二人の教育を優先する母の姿。生活していくために学業を修めながら働く姉の姿がとても凜々しいです。
自分が10歳くらいの時を思い起こせば、著者がこのときどれほど健気に奮闘していたかもよく分かり、ありきたりですが「すごいな」と感嘆するばかりです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2015年12月13日
- 読了日 : 2015年12月12日
- 本棚登録日 : 2015年12月13日
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