楽しそうな最新ミステリー
冒頭の「最後の良薬(長岡弘樹)」からおもしろい。妻というオチはありきたりなんだが、どんでん返しがきれいに決まる。
思わせぶりな「心中ロミオとジュリエット(大山誠一郎)」はオチが読めてしまうが、幸せの価値を問うラストは良いな。
期待の割りにはイマイチだったのが「三つの涙(乾くるみ)」。残念。
逆にとてもすばらしいと感じたのが「三橋春人は花束を捨てない(織守きょうや)」。このオチには驚いた。緻密だなぁ。普通怖いのは女なんだがなぁ。
既読の「死は朝、羽ばたく(下村敦史)」も、このシリーズに加わるに十分な力量を持つ作品。
「舞姫(歌野晶午)」のオチがわからない。たぶんアフリカだと思うけど、その伏線が見えない。よっておもしろくない。
「緑の女(桜田智也)」はおもしろくない。研究室の雰囲気はたっぷりなんだけど、発散し過ぎたな。
なぜ時代劇にしないといけないのかわからないまま読んだ「真桑瓜(青山文平)」。確かにその背景は楽だけど、現代にアレンジできなかったのかな。残念だ。
「理由ありの旧校舎(初野晴)」はユニークなお話だけど、まったくおもしろくない。
上質なおばぁちゃんミステリー「許されようとは思いません(芦沢央)」は既読。
「髪の短くなった死体(青崎有吾)」の凸凹名探偵コンビはユニークだけど、トリックはおもしろくないな。
既読もあったけど、なかなかに楽しめたアンソロジーだ。いいな、ミステリー。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2015年9月16日
- 読了日 : 2015年9月16日
- 本棚登録日 : 2015年9月16日
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