空飛ぶタイヤ

著者 :
  • 実業之日本社 (2006年9月15日発売)
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風神 雷神の顔があんなに怖いのは、
<邪気>を払おうと、
<悪>に対して威嚇している為だ。

…と、以前聞いた話をぼんやりと思い出していた。

走行中であった『赤松運送』のトレーラーから外れた車輪が、運悪く母子を直撃。
子は軽症であったものの、母親は死亡。
あまりにも不運すぎる事故に打ちひしがれた家族の怒りは、当然母の命を奪った運送会社の社長『赤松』に向けられる。
(事故の原因)などどうでも良い、起こった事実のみで、評価を下す世間からのバッシングも、
実は<非が無かった>赤松運送を追い込み、
彼の会社は風前の灯となってしまう。

だが、
実はトレーラー自体に問題があり、諸悪の根源は、
誰もが名を知る、大手自動車会社の方にあり、と知ってからの赤松は吠えた。

中小企業のいわば、<弱者>が、
大手企業にいくら噛み付いたところで、痛くもかゆくもないだろう。
それでも、諦めなかった赤松の姿がなんだか、
私には『赤鬼』に見え始め、
最後にはこの会社に巣食う邪気を払ってくれる、
そんな頼もしさを感じ始めていた。

怖い顔した赤鬼も、本当は弱くて涙もろい事は
絵本『泣いた赤鬼』で、よ~く知っている♪

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年8月15日
読了日 : 2014年8月15日
本棚登録日 : 2014年8月15日

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