アリストテレス入門 (ちくま新書 301)

著者 :
  • 筑摩書房 (2001年7月18日発売)
3.15
  • (6)
  • (15)
  • (37)
  • (10)
  • (3)
本棚登録 : 403
感想 : 25
3

めも)
・問答法的推論(非形式的推論)の有用性 67
論証は真である命題すべてを結論付けられない。
ある命題を証明するためには、その前提となる命題が真である必要がある。さらにその前提そのものを証明するためには、さらなる前提が真でなければならず…このように前提を考えていくと、必ず「最初の証明」に行き着く。アリストテレスが論証と呼ぶのは、そのようなそれ以上証明することができない最初の証明のことである。論証の前提となる命題自体は証明できない。/
問答法的推論は、論証の前提となる事柄を論じることができるということである。
これ自体は「証明」ではなく、前提の蓋然性を示すものにすぎない。したがって、それが確実な命題であるためには、問答法の手続きだけでなく、直観や知性が前提の真実性を認める必要がある。

・推論 syllogismos の三分類 65
推論―何らかの事柄を出発点として結論を導く論理的手続き
1.「論証」―学問的で厳密
2.「問答法的推論」
3.「論争法的推論」…詭弁、誤った推論

・noesis noeseos (self-contemplative thought) 192,193
「質料をもたないもの」(知性によって知られる)を認識する思惟は、思惟されるものと同一。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 思想
感想投稿日 : 2010年5月17日
読了日 : 2010年5月17日
本棚登録日 : 2010年5月17日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする