ニューヨークでダンサーを目指す27歳のフランシスの物語。夢を持って出てきたはいいが、なんとも「うだつの上がらない」貧乏見習い生活。ルームメイトである親友との関係にもすきま風が吹き、なんだか生活がうまくいかない。
しかも、周囲の友人たちは、わりと人生がうまくいっていたり、アーティスト指向の人も親が金持ちだったりするので、どうもこのモヤモヤを共有できなくて切ない。
主人公が、自身のパッとしない生活を繕うために(見栄を張るために)、場当たり的に嘘をついたり、ショックを隠すためにやたらめったら喋りまくって空回りする様子が、わりと痛々しい。というか、全体的に落ち着きがなくて、見ていてハラハラする。
27歳という、「だんだん年を取ってくるし周りも落ち着いてくるけど、まだ大人とも言えない」というアラサー期の悩みが表現されている映画と言って良いと思う。特にダンサーという夢を追っているフランシスの場合、そう簡単に「生活のため」にその夢をあきらめることもできない。じゃあどうするのか。人はどうやって大人になるのか。というか大人になるというのはなんなのか。いつまでも馬鹿騒ぎする若者のように、楽しく暮らすことはできないのか。
モノクロームの映像がテンポよく流れていくので、雰囲気としては楽しめる。良い映画かどうかはよくわからないけれど、観た後の気分は悪くない、という感じ。
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- 感想投稿日 : 2017年12月24日
- 読了日 : 2017年12月24日
- 本棚登録日 : 2017年12月24日
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