聖なる怠け者の冒険

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2013年5月21日発売)
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感想 : 635
5

いやぁ〜
久方振りにワクワクが止まらない
森見ワールドにズッポリハマったなぁ〜(^O^)
(村上春樹の初期の短編にある牧歌的雰囲気と「夜は短し歩けよ乙女」のあの冒険の匂い、そして「有頂天家族」や「宵山万華鏡」とのリンクもあります)

鳴り響く祇園囃子に包まれ、
さぁこれから何をしようかと心弾む
休日の朝のワクワク感。

そんな身悶える感じが
読んでる間中続くのですよ(嬉)
↑何のこっちゃ


旧制高校のマントに身を包み
狸の仮面を被った正義の怪人、
ぽんぽこ仮面。

ぽんぽこ仮面に
跡を継げと言われるものの、
狸みたいに怠け者でいることに幸せを感じる
主人公の小和田君(こわだ)。

鼻血が出るほど充実した休日を過ごすことに血道を上げる
恩田先輩と恋人の桃木さん。

ぽんぽこ仮面の正体を追う
私立探偵の浦本と
その助手で「週末探偵」の女子大生、玉川さん。

某巨大組織のドンである
謎のアルパカ男。

そしてスキンヘッドの後藤所長。

宵山で賑わう京都の町を舞台に
思惑入り乱れる
キュートな変人たち(笑)。
(フジモトマサル氏による挿絵もまたステキ過ぎる!)


個人的には
金魚模様の手拭いと狸の絵が描かれたがま口と
ヴァイオリンケースに入った達磨を操る(笑)
週末探偵の玉川さんにハート持っていかれたなぁ〜。


万能のお祈り言葉「なむなむ」、
怪しい酒「テングブラン」(偽電気ブランの別名です!)など
森見作品を好きな人なら
ニヤリとできる小ネタもたっぷり。


イノダコーヒ(「タレーラン…」にも出てましたね)、四条通りの大丸百貨店、鴨川沿いの納涼床、河原町OPA、信楽焼きの狸が目印の八兵衛明神、北白川ラジウム温泉、老舗レトロ喫茶スマート珈琲店など
実在する京都の名所も
ファンなら軒並み巡りたくなること必至です。


誰もがのんびりした自分だけの休日を手に入れるために戦っている。

小冒険を笑う者は
小冒険に泣くのだ。

休日の朝のピクニックに似た怠け者の冒険譚を
右手には焼き鳥の串、
左手には生ビールをお供に
(もしくは熱い珈琲にタマゴサンドウィッチ)

小和田君に負けじと
思う存分ぐーたらな妄想特急
暴走させちゃいましょーっ♪

いざ、冒険に向かって飛べ〜!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2013年5月28日
読了日 : 2013年5月28日
本棚登録日 : 2013年5月28日

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