珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
- 宝島社 (2012年8月4日発売)
ん〜
一話一話読みやすいし文章も上手いけど、
漫画チックで
少し軽薄に感じる主人公像は
人を選ぶかも。
まぁツッコミどころは多々あるけど
河原町三条、祇園祭、八坂神社、五山の送り火、出町柳、賀茂川、
実在する京都の名店イノダコーヒなど
京都を知る人なら嬉しくなる描写は大きな魅力だし、
珈琲は苦手な自分だけど(笑)
カフェではなく喫茶店にこだわってる点で
楽しく読むことができました。
富小路通りと二条通りの交差点にある
「純喫茶タレーラン」。
偉大なる食通の政治家タレーランの名を冠した店名。
重厚な扉と赤レンガの道と
蔦が絡み合う魔女の棲み家のような佇まいの古びた喫茶店という設定が
雰囲気あって引き込まれます。
(異世界・京都が舞台だからこその
リアリティがあります)
主人公である
22歳のコーヒー好きの青年、アオヤマ。
謎解きが趣味の
喫茶タレーランのバリスタ
切間美星(きりま・みほし)23歳。
(見た目は女子高生)
美星の大叔父で
絶品のアップルパイを作る
タレーランのオーナー兼調理担当の
藻川又次(もかわ・またじ)。
(女好きで変な京都弁を使う)
美星の過去を知る青年、
胡内波和(こない・なみかず)。
そしてシャム猫のシャルル。
キャラが立った登場人物たちは
ドラマ化したら
誰がいいやろって
思わず考えてしまいます(笑)
アオヤマと美星に
毎回もたらされる日常の謎。
赤と緑の傘を
間違えて持っていったのはなぜか?
ブラックコーヒーを飲めない男の浮気調査、
孤独な小学生が
大人に牛乳をねだる理由とは?
そして美星が
謎を解く時のお決まりのポーズが
手回し式のハンドミルでコリコリコリコリ、
コーヒー豆を挽くのです(笑)
(毎回の決めゼリフはちょっと恥ずかしい笑)
そして容易には人を寄せ付けない
心に砦を持つ
美星バリスタの隠された秘密とは…
(いやはや5章後半からの二転三転する怒涛の展開には騙されました汗)
ゆったりと進む恋模様も絡めながら
謎を提示し
サクサクと読ませる技量は新人らしからぬ出来映え。
晴れた日には
レンタサイクルでも借りて
珈琲牛乳でも飲みながら(笑)
京の町をロケ地巡りしてみるかな〜(笑)
- 感想投稿日 : 2013年5月7日
- 読了日 : 2013年5月7日
- 本棚登録日 : 2013年5月7日
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