蛇喰い (キャラ文庫)

著者 :
  • 徳間書店 (2011年1月27日発売)
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本棚登録 : 67
感想 : 6
4

雅則は、女と逃げた恋人が残した多額の借金の肩代わりをさせられるために、裏世界で金融業を営む宇喜多の元へ拉致されます。

初っ端から、雅則に降りかかる怒涛の災難。水原作品らしく?殺されかけたり、陵辱されたり、大変な目にあってます。
キーワードは、蛇です。
情が深くて、妖艶に相手に絡みついて、最後は丸呑み?
雅則は、その描写でも外見的には凡庸な普通の32歳会社員、という設定。蛇には程遠い感じだったのに、過去の肉体関係や、宇喜多、高原との関わり方を見るうちに次第になるほどなーと納得。雅則自身にはあまり自覚のないサガなのかもしれないけど、知り合ったオトコをほぼ100%の確率で篭絡して翻弄してます。

雅則にとっては、相手のためにひたすら尽くして支えて、でも結局は相手に捨てられることの繰り返し人生だと思いこんでいるふしがありますが、男にとってはかなりそそられるタイプです。なにしろ、無味無臭で真面目で何事にも不慣れな感じなのに、ベッドでは意外にも素直で反応よくて超ギャップ萌え。プラス無駄に要求したり甘えたりせずに、ひたすら耐え忍ぶしおらしさ。一方で、男の危機のためならどんな身のほど知らずな行動もとってしまう無軌道さも見せて、かわいい。どうにかしてあげたくなっちゃいます。

物騒なムードがプンプンの宇喜多や高原までもがメロメロになっていくさまは、なんだかわかるような気がしました。無意識なだけにほんとに恐すぎる魔性の男です。宇喜多ぐらいの度量がある男しか、雅則とはガチでつきあえないでしょうね。

思ったほど痛くなくて、煽られるベッドシーンもてんこ盛り。ラブラブな仕上がりの作品です。この先の3人の様子も知りたいかんじ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 水原とほる
感想投稿日 : 2011年7月28日
読了日 : 2011年7月28日
本棚登録日 : 2011年7月22日

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