2008年リブレ発行のコミックスに、未収録だったアンソロ作品2作を加えた、幻冬舎ルチルからの新装版です。
表紙と口絵は描き下ろし。
たまに、表紙サギ新装版つかまされてがっかりすることがあるけど、日高センセは違います。ずっと変わらない安定した作画のクオリティです。昔の作品も見劣りすることなく美麗。改めて素晴らしいと思ってしまいました。
以前のレビューにも書きましたが、この本にはセンセの希少なラブコメが入ってるのがいいです。短編集でいろんなテイストの話が収録されていて、表題作は幼馴染みの再会もの。
しかも双方ツンデレなので、気持ちを確かめるまでに長い歳月がかかるわけなのです。やっぱり「ハルちゃん」呼びに萌えます…!
で、「初恋のひと」が貴重な胸キュンラブコメです。不細工特集アンソロ作品で、藤原が10年ぶりに初恋のカレに再会したらすごくイケメンになってたという微笑ましい話。
藤原の男の好みがマニアックww
付き合った男が全部唐橋似ってのが、超絶面白かったです。
未収録だった「二度目の恋」はさらに胸キュンに。藤原は確かに男の好みがマニアックだけど、外見だけじゃなくちゃんと唐橋という人格を愛してるのがいいです。
「運命のひと」は、歯医者×ドMリーマンの運命的出会いを描いた話wしかもオヤジ受。歯医者の診療風景がやけに生々しくて好き。歯痛や診療を我慢する杉田が、恋愛においてもまったく同じスタイルであるというのが、妙に説得力ありますね…
「灰色の海」は江戸を舞台にした時代物。商家の息子で硯職人×武家の四男の恋物語でした。時代劇も見事に描くことができるセンセですが、BL的にここまであの丁髷&「月代」スタイルをカッコよく、色っぽく描けるなんて…感動。こんなに納得できる月代の侍受って、めったにないです。
ストーリーもいいです。幸四郎は、吉次の作る硯に魅せられ技を学びたいために3年間も見学している超真面目で純粋な侍。
そんな幸四郎が自分の技だけに魅了されているようで気に入らない吉次。
二人は間違いなく惚れ合ってると思われるのですが…周囲の状況もあり、本音も互いに語らないので、なかなか焦れ焦れさせられますw続きが気になる~
センセの明治時代もステキだけど、江戸時代ものもとても見てみたくなりました!
- 感想投稿日 : 2016年11月24日
- 読了日 : 2016年11月24日
- 本棚登録日 : 2016年11月24日
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