隷辱の人魚 (白泉社花丸文庫)

著者 :
  • 白泉社 (2010年4月20日発売)
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本棚登録 : 59
感想 : 8
3

すごくオーソドックスで、昔からあるようなSF設定なのに、その仔細にわたる状況説明からいきなりストレートな下半身事情とエロスの波状攻撃。かなり印象的な話です。

SFものが好きな人も苦手な人も、ちょっと引いてしまいそうな気がするのは、SFものでありながら実は近親相姦と陵辱がメインディッシュだから。
それがダメって訳じゃないけれど、それを描きたいがためのご都合主義な未来物設定ではないかと、SFが言い訳になってないかと、そこが気になったのは事実。

とにかく、エロは文句なくがっつり、用意されています。扇情的でたっぷり煽られます。かなり濃厚。
さらに気になったのは、攻の言葉使い。場面ごとに極端に変化するのは違和感を感じます。登場時には、警官の規律を遵守する清々しい印象だったのが、人魚の兄を犯すところではオラオラ系になって、最後のHシーンでは甘ったれわんこ。規律を遵守する警官は消滅です。そんなに攻の人格変わったらさすがについていけません。信じられなくなります。
人魚と喜多島の関係もすぐに明白になってしまうし、そこで性への禁忌や羞恥が皆無な世界設定が、萌えと逆方向に発揮されてしまうし。
このあたりが話的にもう少し深く練られていたら、もっと面白くなってた気がします。

核戦争で地球滅亡とエロ祭りをくっつけるのは、安易に扱うと底が透けて見えてしまうので要注意です。
エロ部分だけ独立して考慮して、★はひとつ増えてます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 吉田珠姫
感想投稿日 : 2011年9月5日
読了日 : 2011年9月5日
本棚登録日 : 2011年9月5日

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