ますます大荒れで、でも気味悪いくらい激甘な「COLD」シリーズ2巻目。
今回は藤島目線で話が進みます。知りたかった藤島と透の悲惨で不幸な過去も明かされます。昼ドラばりのちょっと時代がかったドロドロ感が、けっこう美味であったりもします。お母さん凄すぎ。これ以上やっちゃうと苦笑ものだったりするので、昼ドラのレベル止まりでほっとしました。
このお母さんも、二人の生活に突如として割り込む悪夢だけど、読者と透にはもうひとつビックリが用意されていて、話が飽きない。
あんまり驚かさないでほしいわ、ほんと。
この巻の透は、とても素直で無邪気で、藤島にも「好き好き」と言って、ケーキも作り始めて、すごーくラブラブ。対する藤島は「もし記憶が戻ったら」という日のことを思うと、どうしても心をさらけ出すわけにはいかない。過去の罪に苛まれる藤島が、透の真摯な想いを受け止め、やっとのことで一切を告白できるまでの過程は、読んでいて胸が締め付けられる思いでした。それほどまでに、透がまっすぐ藤島を愛した成果です。もちろん、藤島も透のことをすごく大事にして、深く愛していて、健気ですらあるし。
しかし。このままじゃ終わらないよね?と疑心暗鬼になってるから、当然二人の幸せいっぱいな様子に素直には喜べません。
これで、透の「魂の再生」が終了ではないところが、実に恐ろしい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
木原音瀬
- 感想投稿日 : 2011年3月18日
- 読了日 : 2011年3月18日
- 本棚登録日 : 2011年3月4日
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