肉食上司のアイしかた (ビーボーイノベルズ)

著者 :
  • リブレ出版 (2010年5月19日発売)
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本棚登録 : 95
感想 : 10
5

やり手ヘッドハンター×製薬会社人事部社員。お仕事モノです。

治験の後遺症で研究者としての道を断たれ、経営困難に陥った会社のために、解雇対象社員に早期退職を勧告する日々を送っている人事部の有城。
有城のまさに血を吐くようなストレスばかりの日常もすごいけど、彼が傾倒する上司相崎がもっとすごい。自分への忠誠を試すかのような言動と、さりげない接触?ただ相崎は有城の指に触るだけで、それ以上は何もないんだけど、怖い手懐け方法です。敬愛する相崎に嫌われたくないばかりに、己を犠牲にして意にそぐわない仕事もこなす有城の姿はとてもリアル感あり。

そんな弱った獲物をがっつり喰らいつくす九條は、まさに肉食系。口説くだけが専門家と思ったら、意外に情があって熱いところも猛獣の王者です。時々みせる甘えっぷりも技のうちかなと思わせるけど、ウラのない感じで好印象。

ヘッドハンティングと恋人と公私混同で陥落させられる有城ですが、彼も一本筋の通った潔い男で女々しくないのがいい。有城は逆境にもめげず、明るくポジティブで何事にも真摯で一途。読んでいて、こちらまで前向きになるようなキャラです。

二人の駆け引きも面白いし、有城の職場の人間関係や九條の背景も興味深くて、作者の文章力をすごく感じました。

ノンケの有城がだんだん九條に惹かれていって、最後は結ばれるまでになるのに不自然さが無く、納得できるものがあるのもよかった。
続編に期待です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 砂床あい
感想投稿日 : 2011年5月25日
読了日 : 2011年5月24日
本棚登録日 : 2011年5月24日

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