お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

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  • 光文社 (2007年11月16日発売)
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リスク資産を持たないということは、忙しさの中で、本来その資産を運用していれば得られるであろうお金を放棄していることにもなる=もったいない

安全資産を多く持っているということは、労働に頼らなければならない割合が多い。その結果として問題のひとつが少子化

単純労働において、アジアを始めとする発展の目覚しいほかの国々の安い賃金にはかなわない。
⇒ 日本でのこれまでの仕事は減っていく

そこまでの勉強と努力する時間がない人は、プロが提供する商品の中でしっかりとした人に自分のお金の運用を託すところまでをゴールにすればいい

多少変動があっても、中長期的には勝てる、とその変動に我慢できれば、毎年、最大で数十%の浮き沈みはあるものの、利益を得ることができる
⇒ リスクプレミアム

平均で見た場合でも、リスクプレミアムの方が儲かるわけだから、手数料を払ったとしても、儲かる

株式は、アメリカと台湾のデータでは、どちらも利益が個人投資家から機関投資家へと映っている。
⇒ 個人が損して、プロが儲かる

自分で運用する=労働、プロに任せる=投資

金利 = インフレ率 + 実質金利

インフレ率=物価の上昇。海外のインフレ率で日本より低いところはない

実質金利=お金を借りたい人と、貸したい人の需要バランスで決まる

日本の物価は統計上、ここ10年は上がってない。一方アメリカは、毎年、約3%ずつ上がっている

銀行は、安い利率の定期預金でお金を集め、それを高い金利の住宅ローンで運用することで経営が成り立っている

バブル崩壊後は土地がどんどん値下がりしている

住宅地の値上がり幅は世帯数の需要で決まるため、人口減少が始まった現在、住宅地の大幅な値上がりは期待薄になる

例えばアメリカなど、他国でも同じで、景気というものは、いかに住宅を買わせ、いかに借金を背負わせるかで決まるといっても過言ではない

分散投資は、リスク分散になるので大きくマイナスになることを防ぎ、リターンを確保できるということは理論上からも統計上からも証明されている

個人投資家は、もともと分散して投資を行うことが特徴である投資信託を買うということは、手数料を払っても理にかなっている

リターン・リバーサル=急激に上がった金融商品は、急激に下がる可能性が高いのが、統計上証明されている。逆もしかり

資本主義は、「賢くない人から賢い人へお金が流れるしくみ」
⇒ だから資本主義の根幹をなす金融のしくみを知らなければいけない

住宅ローン、株式も、客(個人投資家)を必要としているのは、損をしてくれる人、つまりカモがいないと銀行、機関投資家が得をできないから

要するに、多くの一般の個人投資家にとっては、プロ並みの知識とスキルを持っているという自身がない限り、手数料を払ってでも投資信託を買うという方法が一番現実的

生命保険は、子供が大学卒業して自立できる年齢に近づくほど、必要な保障金額は小さくていいから、無駄に払ってる人が多い

予測できないから、管理できるのはリスクのみで、リターンは管理できない=だから分散投資が命

一番簡単なリスクマネジメントは、「分散投資」と「ドルコスト平均法」

人間は生の目でお金を見たら使ってしまう傾向があるから、月々の積立サービスを利用して、投資にお金が流れるしくみを作る

金融には、政治と同じように社会を変えうる力がある。投資先を選ぶことによって、積極的に資本主義に関わっていくことができる
⇒ SRI(社会責任投資)は、企業が社会貢献しているか等、財務以外の要素を金融商品の投資に積極的に取り入れようとするしくみ

イギリス初のSRI投資信託となったFriends Provident Life and Pensions が運用している Stewardship Trust という投資信託がある

つまり、短期的な利益を生んでいる企業でも、長期的に見れば、人や会社、地球に害を与えるようなよう祖を持った企業には投資せず、短期的な利益につながらなくても、中長期的には社会全体をより充実させる方向性を持った企業に投資するという考え方

SRIなら、永続的成功の可能性が高い

投資は、世界中の人々の活動を支えるために、誰かがリスクをとって資金的なサポート(=金融)をするということ。金融はお金儲けのためだけにあるのではなく、私たちの生活をささえ、社会をよりよくするための基盤という観点から、投資に興味を持ってみる

リスクをとったことの見返りは、株、投資信託などを通じ、その価値が上がることによってリターンとして必ず報われるようにできている。つまり、資金的なサポートを行う人がいて、初めて私たちの社会は安定した発展が望める

投資の原則は、安く買って高く売る

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年5月9日
読了日 : 2016年5月9日
本棚登録日 : 2016年5月9日

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