日本人について知ろうと、ルース・ベネディクトの「菊と刀」とほぼ同時期に買いました。
ただ、自分はおつむが少々弱いので、読んで理解するのに難儀。「菊と刀」よりも手こずりました。
著者は日本を戦争に導いたものは「空気」だったと喝破します。
たとえば戦艦大和の出撃について、当時の軍令部次長の小沢治三郎中将のこんな発言を引きます。
「全般の空気よりして、当時も今日も(大和の)特攻出撃は当然と思う」
著者はこう述べます。
「『空気』とはまことに大きな絶対権をもった妖怪である」
では、戦後、この空気の威力は衰えたのでしょうか。著者は「相変わらず猛威を振っているように思われる」と指摘しています。同感です。
空気の支配から脱するのに必要なのは、現実に根差して「水を差す」こと。再び同じ過ちを犯さないために。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年5月8日
- 読了日 : 2013年5月8日
- 本棚登録日 : 2013年5月8日
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