男性作家の描くものと女性作家の描く時代物はこんなにも違うのか。そして西條奈加さんの世界はなんと心地よいことよ。なぜこんなに引き込まれるのか分からない。不思議だ。私は小説はエンターテインメントだと思っている。だからミステリーや大活劇が大好き。そんな自分が西條奈加さんのふんわりした柔らかい文章に引き込まれるのが不思議なのだ。
月村了衛さんの怜悧でハードボイルドな作品をワクワクしながら読了し、魂が疲れ切った後に読む西條奈加さんの作品は、荒野からやっと帰ってきた我が家という感じがする。
今回は「世直し小町りんりん」ということで、結構なミステリーでもあったが、全編を覆うそこはかとない暖かさは充満していた。いいなぁ、このオアシス感。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年3月25日
- 読了日 : 2016年3月25日
- 本棚登録日 : 2016年3月25日
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