この世の全部を敵に回して (小学館文庫 し 12-1)

著者 :
  • 小学館 (2012年4月6日発売)
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本棚登録 : 568
感想 : 79
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久しぶりにここまでテーマを前面に押し出した小説を読んだ。
正直、この内容に全面的に賛成できる人はほとんどいないと思う。ただ途中途中でハッとさせられることはある。望んでいた内容とは少しかけ離れてしまっていたが、読んで損はなかったかなと思う。ハイデッガーでも読まない限り、日常の生活でここまで「死」について考えることもなかなかないと思うので。

また、独白だけで読者を引き込む白石氏の手腕は見事。ラストの数ページは何かに引き込まれるように読んでしまった。

そして。余談だが、解説の川上弘美さんが素晴らしい解説文を寄せていた。この部分だけでも商業作品として成立する水準の名文だと思う。やはり作家は凄いと痛感した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2013年8月28日
読了日 : 2013年8月28日
本棚登録日 : 2013年8月27日

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