久しぶりにここまでテーマを前面に押し出した小説を読んだ。
正直、この内容に全面的に賛成できる人はほとんどいないと思う。ただ途中途中でハッとさせられることはある。望んでいた内容とは少しかけ離れてしまっていたが、読んで損はなかったかなと思う。ハイデッガーでも読まない限り、日常の生活でここまで「死」について考えることもなかなかないと思うので。
また、独白だけで読者を引き込む白石氏の手腕は見事。ラストの数ページは何かに引き込まれるように読んでしまった。
そして。余談だが、解説の川上弘美さんが素晴らしい解説文を寄せていた。この部分だけでも商業作品として成立する水準の名文だと思う。やはり作家は凄いと痛感した。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2013年8月28日
- 読了日 : 2013年8月28日
- 本棚登録日 : 2013年8月27日
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