2012年度コバルトロマン大賞受賞作品。
今回は良作ぞろいだなあ、と思ったり。
社交界で噂の伯爵令嬢。
その噂とは「赤ん坊のころに乳母に誘拐され、貧しい下町で育った少女」というもので。
12歳のときに見つけられ、無事生家へと戻るのだけれど……。
主人公・メアリには人には言えない秘密が二つあって、そのためなかなか貴族の生活に馴染めずにいるようです。
いったいどんな秘密を抱えているのか、と思ったら。
「記憶を消す」という異能を持っていたのです。
その異能を使っているところを美貌の青年伯爵に目撃されてしまったメアリは、彼にある「お願い」をされるわけです。
最初は脅す者・脅される者という関係だったのに、徐々に彼のことが気になっていくメアリ。
おもしろかったです。
まさか異能がからむお話とは喪わなかったけれど、メアリとジョシュアの心の動きが本当によかった。
うん、三浦しをんさんの書評どおりでした。
二人の心を縛っていることが、互いの鎖をうち砕いて。
ラスト方面は「うわー(〃△〃)」となりながら、それでもわくわくと読んでいました。
二人をとりまく友人たちもいい子でしたねー。
んー、それにしても。
彼のアレは消えてなくなる、とかはないのだろうか?
万が一のことがあったら大変なことになりそう……。
と、つい心配してしまいました。
嘘も方便を貫きとおすとどうなるのか?
メアリの「嘘」を貫きとおすとこうなる、みたいな感じ?
なかなかどうしておもしろかった(>_<)
文章も読みやすかったですし。
次回作はどんなお話が届くのか。
ちょっと楽しみです。
- 感想投稿日 : 2013年1月16日
- 読了日 : 2013年1月15日
- 本棚登録日 : 2013年1月15日
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