馬と少年 ナルニア国物語3 (古典新訳文庫)

  • 光文社 (2017年3月9日発売)
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本棚登録 : 135
感想 : 12

 もの言う馬と少年少女が、ナルニアを目指す旅の一部始終。
 馬のブリーが経験する感情や、気持ちの変化する様子がとてもいい。なんというか、含蓄に富んでいる。シャスタに乗馬を教え、道を示し、誇り高く、物知りな馬として語らっていたのが、シャスタの勇気ある行動(ライオンに素手で立ち向かう!)を目の当たりにし、そのうえ自分は命おしさに逃げることしか考えていなかった、とすっかりうちのめされてしまうのだ。
 立場というのはいとも簡単に逆転するものであり、固定された力関係などないと思わせられる。そしてそこから、仙人やアスランに諭されて立ち直るのだ。
 プライドが高いというと悪い意味に捉えられがちだけど、人の話に耳を傾ける度量があれば、誇り高いことはけして悪いことではないんだな、と。

 「いったい、<もの言う馬>ってもんは、ゴロンゴロン寝っ転がったりするものなのかな?」
 愛すべき<もの言う馬>、ブリー!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2017年10月22日
読了日 : 2017年5月
本棚登録日 : 2017年3月13日

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