おめでとう (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2003年6月28日発売)
3.43
  • (122)
  • (216)
  • (547)
  • (39)
  • (8)
本棚登録 : 2158
感想 : 251
5

再読でも、とても寂しくて好きです。
記憶をなくし続ける物語の次に、忘れないでいようというこの物語を読んだのでなんだかそれが印象的でした。
なんと表現していいかわからないくらい、ふわふわととりとめない空気ですが、それでもこれは恋愛なのかもしれません。レンアイ、と片仮名にしてしまう方がぴったりかも。
どのお話も寂しくて好きなのですが、ラストの「おめでとう」が一番好きです。再読して初めて、「西暦三千年一月一日のわたしたちへ」と書いてあることに気付きました。滅びを感じさせる世界観が素敵です。
昔、好きだった人に差し入れとして渡したことがあります。読んでくださったかはわかりませんが。
わかりやすいのは「センセイの鞄」だと思いますが、川上さんの恋愛小説はこんな空気のものが好きです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2017年12月5日
読了日 : 2017年12月5日
本棚登録日 : 2017年7月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする