キッチン (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2002年6月28日発売)
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感想 : 1059
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ようやく読めた『キッチン』。
ずっと気になっていたのに何故か読めなかったよしもとばななさん。
最初の数ページを読んで「そういうことだったのか」と納得した。
まだ私にはこの物語は早かったんだな。きっと。
本当は今だって機が熟したとは言えない。
少しフライングで読んでしまったと思う。

主人公の経験した喪失を私は知らない。
でもそれは回避不可能なものなのだろう。
今息絶えることが出来るなら知らないまま生涯を終わらせることが出来る。
でも私にはその道を選ぶことが出来ない。

幼い頃から何度も想像してきた。
その度に涙を流して私には耐えられないと結論付けてきた。
この小説に描かれているのは喪失そのものとそこからの生き方だった。

深く傷つきながらも周囲の人に光を見出す主人公達が私には眩しい。
いつか私が運命に捕まる日が来たら、その時私はどこかに光を見いだせるだろうか。
こういうことには心の準備なんて出来ないのだと思ってきたけれど、光を見つけることはもしかしたら出来るのかもしれない。
そう思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年10月23日
読了日 : 2014年10月22日
本棚登録日 : 2014年10月23日

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