会社から無事に家に帰るという毎日繰り返している当たり前のことがとてつもなく困難なことになる時がある。
例えば台風。
電車が動かなくなったり、ひどい混雑で乗り込めなかったり、最寄り駅までなんとか到着したけど家まで歩くのが命がけに思えたり。
そんな時に心から欲しているのは家に帰って荷物を下ろし、疲れた体を無防備に横たえることだったりする。
「帰りたい」
その思いがますます人々を駆り立て、混雑した駅はさらに過酷な戦場になっていく。
困ったものだ。
この小説で人々を翻弄するのは豪雨。
循環バスが運休になり、家を目指す人々は雨の中自力で橋を渡り始める。
「帰りたい」という思いを胸に。
今家にいられることが本当に幸せだなぁと思う。
そして、大人って格好いいなとも思った。
誰かを突き飛ばして家に帰るような大人にはなっちゃいけない。
これは本当にそう思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年7月12日
- 読了日 : 2014年7月12日
- 本棚登録日 : 2014年7月12日
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