紙の月

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2012年3月15日発売)
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感想 : 551
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なぜこんなことになってしまったのか?
あの時こうしていなければ、あの人に出会わなければ、今は全く違っていたかもしれない。
梅澤梨花さんはそう自問しながらも、その考えを虚しく感じている。
それでもやはり私はここにたどり着いたのではないかと。

この本を読んで感じたことはうまく言葉に出来ないことばかりだ。
怖いとも思ったし、分かる気もしたし、そのすぐ後に理解出来ないとも思った。
何人かの顔が浮かび、その人の記憶が蘇り、その日の感情が再現された。
心地いいものも、そうでないものもあった。
何かに気付けそうな、言葉に出来そうな気がして読み続けた。

そして読み終わった時にふと寂しいなと思った。
でもそれは読んでいる時に感じていたこととは全く違う。
掴めそうだったものはいつの間にか消えてしまった。

ただ寂しいなと思うだけ。
この小説に出てくる人達は私と変わらないんだろう。私の周りの人とも。
そのことが寂しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年2月16日
読了日 : 2013年2月16日
本棚登録日 : 2013年2月15日

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