里山を創生する「デザイン的思考」

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー (2015年5月22日発売)
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メディア系の人が書いたデザイン思考の話。リアルケースを元に書かれているので、とっつきやすい。

総じて大事なのは、チームメンバーが同じ価値観で同じ方向に走れるか、な気がする。多分同じ考え方、ではなく、価値観、が重要なんだろうな、と。

最近のデータありきのトレンドに対して待ったをかけているのも面白い。データを軽視しているわけでは決してないが、データに頼りすぎ、というのは、IT屋としては衝撃。ただ、過去データからだけで物事を判断していては、新しいことが生まれるはずがない。だってデータがなかったりして、リスク評価が高になり、止められるから。とはいえ、分析と肌感覚のある意味勘とのバランスが難しい。

データ分析が発達した結果、短期的な視野になっている、というのも面白い。分析・予測技術が発達したとはいえ、対象が先になればなるほど精度は落ちる。すなわちリスクが高くなるわけで、であれば、確実に分析・予測できてリスクの低い短期的な部分に目が行くのは、当たり前といえば当たり前なのかも。

ペルソナ設定の重要性もよくわかる。時間がないから、という理由で代表ケースだけに絞って考えて行くことが多いけど、多分それじゃだめなんだろうな、と。相当数のペルソナを設定して考えていかないと、多分新しいことは産まれない。

これだけ時代が早く動く中で長期計画にこだわることは意味なし、というのも確かに、と。それよりも、柔軟かつ迅速にガンガン変えていけることの方が大事。そのためにも、同じ価値観の中で軸を持たないと、変えようがないし、変えたとしても行くつく先はめちゃくちゃになるだろうし。

なんとなく、だけど、デザイン思考が色んな分野、もちろんIT含めて、有用であることを感じられたかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読み物
感想投稿日 : 2017年4月7日
読了日 : 2017年4月7日
本棚登録日 : 2017年4月7日

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