北欧スタイル快適エコ生活のすすめ: 森の精ムッレに出逢ったスウェーデンの人々のビジョンとは

  • ジェイ・インターナショナル (2000年3月1日発売)
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環境問題に取り組む、環境によい生活を送る、などというと少し楽なこと楽しいことを我慢した生活をイメージするのではないでしょうか。でも、本書ではそれを否定しています。だって、みんないいことと分かっていてもしんどいことはやりたがらない。それでは、エコ生活は広まっていかない。だから頭に「快適」がついているのです。何かを我慢するのではなく、自分の生活の中でできる範囲でいいから環境によい生活に変えていこうというのです。たとえば、その方がかえっておいしい野菜が食べられたりするわけです。水光熱費だって安くついてしまいます。また企業に対しても同じようなことを言っています。環境によいことをしようと思うとコストがかかってしまう。利潤を追い求める企業としてはそれは押し進めにくい。でも、著者たちはそうではないと言います。環境問題に積極的に取り組んでいるということで、その企業・ブランドは消費者に受け入れられ結局生き残っていくのです。現に、スェーデンでもうつぶれかけだったホテルが、環境問題に一生懸命取り組んでそれを売り出したことで、今やものすごい成長を遂げているそうです。また、国の政策面としては環境にやさしくなる工夫をすると、税の面で有利になるような仕組みが必要なのでしょう。そういった点では、日本という国は実に遅れています。何とかならないものでしょうか。私自身はというと、自家用車には乗らない、ムダな電気(待機電力とか夜中のウォームレットとか)を使わない、なるべく地元の野菜を買う、くらいのもんでしょうか。それから携帯電話も持っていません。そんな話をすると、「ヘエー」と驚く人がいますが、本当にそれは必要ですか?この10年、本当に便利になったと思います。我が家にも、とうとうエアコンが3台入ってしまいました。なるべく使わないようにはしたいのですが。その便利で快適な生活があまりにも当たり前になっていませんか。最初はすごく便利になった、と感動していたものがアッという間にそれが当然となってしまう。車なんてなくっても、ある程度公共交通機関が発達した町なら十分暮らしていけます。健康のためにスポーツジムへ車で通ったり、近くのスーパーへは車で行って、ウォーキングをやっている、私にはどうも矛盾しているように思えてならないのですが。どうですか?さて、本書でもっとも気に入った言葉で締めくくりましょう。スェーデンでテレビのプロデューサーをしている人で、自宅近くに事務所をつくってそこで仕事をされている方の言葉です。「自分が一生懸命仕事をしたとして、誰が感謝してくれるのだろう?小さい子どもの成長ははやく、仕事で離れているとその成長が見られない。大きなものを失うことになると思う。子どもこそ私を本当に必要としているのだから。」(まあ、少しは誰かに感謝してもらえてるかな、とは思っているのですが。)(気持ちは当時と大して変わっていませんが、軽でほとんどパートナーが使っているだけですが自家用車も購入したし、毎日スマホをさわっています。)

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 人生論・勉強法
感想投稿日 : 2015年11月2日
本棚登録日 : 2015年11月2日

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