きみは赤ちゃん

著者 :
  • 文藝春秋 (2014年7月9日発売)
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本棚登録 : 1889
感想 : 282
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久しぶりにこんなに良い本を読んだ、と自信を持って言える。年間百冊近い本を読み、いくつか墓場まで持って行きたいものは毎年生まれるけど、その中でもまったく素晴らしい。

私生活で色々と思うところもあり読んでみたが、こんなにも愛に溢れた本を読んだのは久しぶりだ。

また、男性こそ読むべきだと思った。それが女性であれ、男性であれ、人生は自分が経験したことからしか学べないのだとすると、前提として他人には自分の痛みは分からないという苦しみがある。(学校の保健の授業も男子は隔離で行われる内容もあるし、教えられないから知らないというのもあるけど、)女性のことをあまりにも知らなさ過ぎて、そういったことが無意識にストレスを与えることになっていたことを痛感して考え方が少し変わった。それは家事を折半したり女性の雇用を促進すれば解決したりする話ではなく、まったく次元の違う話で、女性というのは身体も心も負担を背負っている孤独な人たちなのだ。だから、私たちは他人の決断や知らないことに口を出すべきではないし、優しくならなければならない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年9月17日
読了日 : 2014年9月17日
本棚登録日 : 2014年9月17日

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