素敵な日本人 東野圭吾短編集

著者 :
  • 光文社 (2017年3月30日発売)
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本棚登録 : 3558
感想 : 378
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東野圭吾の新作。
9篇のミステリーが収録された短編集で、最近定番になりつつ
あるソフトカバー。東野圭吾の場合、連作短編の秀作は山のよ
うにあるのだが、“純粋な短編集”としては2011年に発売さ
れた「あの頃の誰か」以来。従って、氏にしては非常に珍しい
構成かと。

僕の東野圭吾歴は、連作短編集の「探偵ガリレオ」から始まっ
ている。東野歴、と言うより、僕の今みたいにミステリーを中
心とした小説作品をバカみたいに読む、というスタイルは完全
にこの偉大な作家の影響。特別すぎるほど特別な作家が、僕の
原点でもある短編集を出す、というのだから、コレは期待しな
いわけにはいかない。果たして・・・。

・・・いやぁ、凄いわ、コレ。
充分に練られたトリックと、澱みが全く無くスパッと入ってく
る文章。「あ、オレ今東野圭吾読んでる」と感じさせてくれる、
すばらしい一冊に仕上がってると思う。

全9篇にハズレは一切なし。内容とあまり関係の無いタイトル
かと思いきや、読了してみればなるほどどれもが“日本的”な
ミステリー。久々に光の速さで読み終わり、さらにもう2〜3篇
読みたくなっちゃうのだから、正直脱帽である。

オススメは猫好きなら感涙してしまう「サファイアの奇跡」と、
まさかのオチに驚愕せざるを得ない「君の瞳に乾杯」。という
か、全部面白いのでミステリー好きなら確実に入手すべし!
もちろん、良質な短編を探してる人もぜひ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2017年5月22日
読了日 : 2017年5月11日
本棚登録日 : 2017年5月22日

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