かがみの孤城

著者 :
  • ポプラ社 (2017年5月11日発売)
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感想 : 3361
5

さすが辻村深月。
切なく鋭く甘く深いところをえぐってくる。
私の中の辻村作品オールタイムベスト1位は『メジャースプーン』なのだけど、この作品も追随する勢い……。
「パラレルワールド」の真相についてはわりと早くから仕掛けが分かったので、セリフや時間経過はそのつもりで読んでいたが、よく練られていて巧いなあと思った。
しかもそこまで分かっていながら、「オオカミさま」と「喜多島先生」の正体にはまったく気づかず、不意打ちで涙。
ラストの再開は、「願いがかなったら記憶がなくなるファンタジー」としては反則かもしれない。でも、この優しい甘さにとても救われた。こころはアキを救ったから、順番なんだね。
タイトルの「孤城」、本当は「オオカミさま」の孤独なお城だったのだと気づいて、やっぱり泣いてしまった。

文庫本が出たら購入決定。今期ベスト5に入る傑作でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年10月17日
読了日 : 2017年10月17日
本棚登録日 : 2017年10月17日

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