事件自体や犯人は典型的なので、かなり早い段階から見当がつく。
エミリーが幼くて世間知らずなのに、大金持ちだし一人暮らしだしで、強引でつじつまの合わない推理を持ち出しても、誰にも止められない。親友のアイヴィーが心配して止めるんだけど、アイヴィーとコリン、この本の中でいちばんマトモなこと言ってる二人を主人公は遠ざけるんだよねぇ。謎を引き伸ばしたい作者のご都合主義にしか思えず、かえって主人公エミリーの魅力を下げていて、残念。
古代ギリシャ文化や美術については、エミリーの片言の感想がちりばめてあるわりに、説明そのものは薄くて、ものたりなかった。
この作品のいちばんの魅力は、19世紀の上流階級の女性の生活が分かるところだろう。特に、未亡人であるマナーは特殊でめんどくさくて、おもしろかった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年6月5日
- 読了日 : 2016年6月5日
- 本棚登録日 : 2016年6月5日
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