30代後半にして、片耳難聴だったことがわかり、運よく手術で聴こえるようになりました。
初めて、人と話をするとはこんなに温かみのあるものだと知ったわけですが、同時に、過去、周囲から「きつい」
「表面的」と言われていたこと、私自身も人に対して「なんで嘘つきなんだ」「なんで怒るんだ」と、人間関係を切りまくっていたことの理由がみえてきて、心の整理が必要になってきました。
そこで出会ったのが、この本です。
ろう者のトリセツ=過去の私、聴者のトリセツ=現在の私、として読みました。
ろう者のことばづかいは、決して悪気があって言っているわけではないけど、ふつうの言葉としては、周囲を遠ざけるものかもしれないな、と思いました。私にとってはなんてことのない返事して、閉口していた友人の気持ちもわかりました。
ろう者の気持ちも聴者の気持ちもどちらもあるある、と共感できて、聴こえが悪いということは、どれだけ言語習得に障害をあたえ、さらにコミュニケーションも遠ざけるのだということもわかりました。
この本で出てくる「聴者」は、ろう者に歩み寄っている人たちばかりだと思います。
尊敬しました。ろう者にかかわっている以上、コミュニケーションの不成立は免れないでしょうが、言葉のズレがたくさんあるのだ、と知ることでお互いストレスは軽くなるでしょう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年10月11日
- 読了日 : 2014年10月9日
- 本棚登録日 : 2014年10月11日
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