ふたたび、ここから

著者 :
  • ポプラ社 (2011年6月6日発売)
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本棚登録 : 65
感想 : 15
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■概要
東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市の各地で、震災直後からの約2ヶ月間を取材し、筆者がそこで見聞きした事実をまとめた本。

■感想
あまり筆者の感情を表さず、でも淡々とでもなく、石巻の各地で出会った人の話や、様子をまとめている。地図や写真も多く併用し、どのような場所で、どのような状態になったのかイメージしやすい。
たくさんの悲しい話と、それでも、つながった命を大切に、亡くなった人たちに顔向け出来るようにと立ち上がる人々の姿が胸に刺さる。
特に印象に残ったものとして、津波の直撃を受け、避難した人々の車が炎上し、校舎が全焼した門脇小学校の卒業式での校長先生のスピーチや、被災した会社の社長の言葉がある。
「おまえ、水でおぼれる気持ちってどんなに苦しいかわかるか? 俺は経験したことがないけど、そんなの考えただけでも・・・。そんな死んだ人のためにも、生きてるんだから、俺たちは絶対その分まで生きるんだって、ムキになってやりきらなきゃいかん。絶対やるんだって気持ちでやんなきゃダメだよ」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年11月1日
読了日 : 2011年11月1日
本棚登録日 : 2011年11月1日

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