表題作はSFではおなじみの設定かつ論理的に落とすでもなくやけに情緒で終わる。帯ほめすぎだって。ストーリー構成やプロットの妙は二編目の「風の古道」のほうが腑に落ちた。いずれも登場人物の出自がプロットの肝になっていて、かつ閉鎖された異世界での物語。似た読後感を覚え考えてみると横溝正史ものに酷似していると気づく。夜市や古道はそのまま八つ墓村や犬神家で、出自血縁自体がトリックになっているのであった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説 短編集
- 感想投稿日 : 2016年6月21日
- 読了日 : 2016年6月22日
- 本棚登録日 : 2015年5月23日
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