とても面白い。論証的に怪しいところは多々あるが、読んでいると日本人のふるさと、常世へのあこがれが思い出されて来るような懐かしい感じがして来る。語源を遡ると、想像が拡がってゆく。常世、常夜、楽園、母の国、海の彼方、水と女、羊水、産湯、母の腹の暗闇、誕生、春の水、田植え…。特に面白いのが、「祭りの発生」。冬の原義は、籠るという意味であり、春での新生のために、物忌みをし、ケガレを祓う時期だという。そして、年初めの若水=産湯を浴び、生まれ変わるのだ。天子を若水で祓うのは巫女の役目であり、巫女は天子を育てる女であり、成長してからは妻となるという。
また、日本の祭りの分析を読むと、日本のまつりごと(政治)の根源的イメージが分かるような気がする。神と形代と依代の同一視…。
宮沢賢治が好きな人はきっと面白く読めると思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
<日本>を考える
- 感想投稿日 : 2013年3月8日
- 読了日 : 2013年3月6日
- 本棚登録日 : 2013年3月6日
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