白樫の樹の下で

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年6月24日発売)
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本棚登録 : 108
感想 : 21
5

「このミス2012」でチェックしました。松本清張賞を受賞した時代ミステリー。
田沼政治が終わりを告げた時代の、若い武士たちの物語。
ミステリーというか、青春ハードボイルドというイメージでした。
時代物という枠組みの中で、登場人物たちの心情が妙に現代風になるでもなく、それでいて違和感もなく、丁寧に書かれていたなーと思いました。
というか、書かれていない部分が好きだったかも。
饒舌にキャラクターの内面が語られるのではなくて、たとえば傷ついた少女を抱き寄せるだけで、彼の決意とか心情が判るような、そういう抑制のきいたところとか。(ちょっと説明しずらいな)
ミステリーというカテゴリよりも、この作者さんの書く、人情物が読んでみたくなりました。
続いてもおかしくないような終わり方でもあったので、それも愉しみにしておこうと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代物
感想投稿日 : 2012年1月26日
読了日 : 2012年1月26日
本棚登録日 : 2012年1月20日

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