イン・ザ・ミソスープという名前からして既に気持ち悪さの漂う本書は、
外人向けの風俗アテンドをしている二十歳のケンジと、そこへやってきた不気味な外人フランクの話である。
第一章から二章はかなり色々なことを妄想させられた。
話に噛んでくる女子高校生のバラバラ事件とか、ホームレス殺人事件など、もしかしたら本当にこのフランクの仕業なのだろうか……など。
ケンジと共に僅かな仕草や言動から疑心暗鬼になっていく過程を疑似体験できるのは、淡々と、でも確実に描かれる気味の悪さにつきる。
何時殺されるのか、殺されないのか、どうして自分はフランクから逃げられないのか。圧倒的な恐怖と共に明かされるフランクの過去は、どこか納得できるような、でも「したくない」ような絶妙な怖さ。
本書ではタイトルのミソスープはまた別の意味だが、
まさに、ミソスープを掻き混ぜるときのような底からもわもわと湧き上がる気味の悪い感触と、脳味噌を掻き混ぜられるような恐怖は確実に味わるだろう。
何で読んじゃったかな。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2013年11月20日
- 読了日 : 2013年11月20日
- 本棚登録日 : 2012年11月20日
みんなの感想をみる